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 梶野稔オフィシャルブログ 


by minorucasino

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山吉さんを想う

先月、山吉克昌さんがお亡くなりになり、今日お別れの会があり伺った。

山吉さんは民藝の俳優で僕が日活芸術学院に通っていた時の恩師。

民藝に入ってからも僕を気にして下さり、大変お世話になった。

2年目になった頃、週2回発声、体操のレッスンがあるだけでは足りないと感じた僕は山吉さんに頼みエチュードのレッスンをやって頂いた。
本公演に参加する事になり中止になったが、勉強発表会の演出も買って出てくださった。


今日、棺の中に一冊の本が入っていた。
山吉さんを想う_c0034396_1559325.jpg

「久保栄 演技論講義」
昔、山吉さんなどが纏めた本。
ノートをとるなと言われていたのに、隠れてメモしたり受講者の記憶で纏めた久保栄さんの講義録。

旧版も頂いたが再版もメッセージつきで頂いた。

祭壇の遺影は山吉さんが描かれた素晴らしい自画像だった。
日活の卒業公演「グッド ラック」でアンドレイ役の時、油絵のようなメイキャップをしてもらったのを思い出した。

その卒業公演が終わっての卒業式に頂いた成績表に書かれた言葉を僕はずっと大切に持っている。
山吉さんを想う_c0034396_1559362.jpg

「演技のスタイルというのは芝居によっていろいろ変化するものだし、一つの芝居の中でも変化するものです。ふざけているアンドレイ、まじめに考え込むアンドレイ、この二つでも演技の方法が違うわけだ。本番ではこの二つが実に解りやすく演じ分けられ、稽古場よりはるかによかった。
観客を感動させたことは一生忘れるな。
good luck!」


この言葉を胸にこれからも頑張りたい。



同じ舞台でセリフを交わすのが密かな夢だった。
「そのセリフじゃ俺出来ませんよ!」なんて生意気を言いたかった。


それはもう叶わない。


残念で仕方がない。


山吉さんは「心はどこにあるんですか?」とエチュードの時、みんなに聞いた。


山吉さん、死んだ役者の心はどこにあるんですか?
by minorucasino | 2014-10-01 15:10 | Diary

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