梶野稔オフィシャルブログ 


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小説−妻に合コンがバレる日−

  男から下心を取ったら、何が残るのだろう…。



田舎の家業を手伝っていたMに友人からメールが届いた。

「合コンするけど、来る?独身の設定で。」

人数合わせだろうと思った。だけど学生経験の無いMにとって「合コン」とは憧れの言葉だった。しかし、仕事が忙しくなってきて時間が読めなかった。

「遅れるけど、いい?」
「何時くらい?じゃあ違うヤツに頼むから」
「いや、少しだから!」

最初の思いはどこへ行ったのか、段々本気になってきたようだ。Mは二次会用にカラオケのレパートリーもチェックし始めていた。



合コン、当日。



東京にいる妻には友達と呑みに行くと連絡。
夜、着替えだしたMに6歳の姪っ子は言った。

「なんで大人って呑みに行くの??」

普段の呑み会では、そんな事を聞かないのに、少し色気づいている叔父を感ずいたのだろうか…。6歳といえど女というのは侮れない。



−合コンは呆気なく終わった。
吹奏楽部だったイッコ下の女性陣の楽器を全部当てたまでは良かったが、私を含めて男の三人中二人が東京在住だと知った女性陣の引き潮は目に見えるようだった。
明日も仕事だと言う彼女らにカラオケに行こうなどと無茶を言う歳でもない。解散となる前に痺れをきらした男が言った。
「みんな、連絡交換しなくていいの?」

では、と言う事で赤外線タイムとなったのだが、これにも駆け引きがあった。


受信か?送信か?


どちらがいいか女性陣に聞いたら口を揃えて「受信で。」と答えた。
連絡しなければ、アドレスを知らせず済む。
そして第一、脈がない。

後日知ったが、「やり方が分からない」と何もさせない手もあるらしい。そうならなかっただけでもMは幸せだったのかも知れない。


にしても、携帯電話に赤外線通信が搭載されてから巷の合コンも変わった事だろう。


話は反れたが、Mの合コンは呆気なく終わった。日常が戻った。


数ヶ月経ち、Mは迷惑メールに困っていた。
日に100件近く来る。色々手は打ったが、諦めてメールアドレスを変更する事にした。
すると有り難い事に沢山の人から「了解」メールが届いた。
メアド変更は結構な労力だったようでMはシャワーも浴びずベッドに横になった。

そこにまたメールの着信音が鳴った。
携帯電話は隣の部屋。
「鳴ってるよ」と妻。
もう動きたくないMは読んでもらう事にした。





「了解島倉千代子!

この前MとSと飲み会した保母さんと飯まで行けたけど、バツイチがネックで撃沈したゼイ」



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by minorucasino | 2011-07-04 22:31 | 小説

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